[書評] 拡散モデル データ生成技術の数理 ー 目覚ましい画像生成の発展の裏側を知りたい人へ

今日は先日購入した「拡散モデル データ生成技術の数理」を読んだので紹介したいと思います。

どんな本か?

Stable Diffusionをはじめとした画像生成技術が劇的に進化して実際に人が書いたような絵が生成できるようになり、画像生成を使ってみたという話をよく聞くようになりました。このStable Diffusionなどの画像生成技術を大きく進歩させた技術が今回の本で紹介されている「拡散モデル」です。

この本ではこの拡散モデルの背景にある数式をわかりやすく説明してくれています。また、拡散モデルの応用先として画像生成が有名ですが、他の生成モデルにはない拡散モデルならではの特徴とその特徴が生かされた他の生成モデル(例えば化合物とか)についても説明がされています。

どんな人におすすめか?

この本は以下のようなことに興味ある人が最初に読むと良い本かなと思います。

  • Stable Diffusionはどういう数学的背景がどうなっているのか?知りたい
  • 拡散モデルについて知らないけど、何に使えそうか?を知りたい
  • VAEやGANなど他の生成モデルとの違いを知りたい

この本を読んでさらに詳しく知りたい人は本で引用されている拡散モデルの論文を読むという流れでいくとスムーズに論文が理解できるのではないか?と思います。

ただし、タイトルに「数理」と書かれている通り、数式が大量にでてきます。なので数式みたくないという人にはお勧めしません。

ただ、数式は図や丁寧な式変形のおかげで他の機械学習系の本も見習ってほしいレベルで分かりやすく説明がされてます。例えば、本の中で「暗黙的スコアマッチングの目的関数」がどういうものなのか式の項毎に図を使って説明されています。項ごとにここまで丁寧に式の説明をしてくれている本はなかなかないので個人的に感動しました。

このため、他の機械学習本の数式変形が難しすぎて躊躇している人も買って読んでみてほしいと思っています。

個人的によかった点

個人的によかった点としては以下の通りです。

  • 拡散モデルの特徴とその特徴を活かした応用先としてどういうものがあるのか幅広く知れた
  • 数式の説明で図を使ってわかりやすく書かれていた
  • 随所に論文の引用がついていて、この部分詳しく知りたいというときどの論文を読めばよいかが分かりやすい

特に2つ目の式変形に関して、式変形を飛ばしすぎて意味わからないと思った本を最近たくさん読んだせいかすごく感動しました。

終わりに

今回は「拡散モデル データ生成技術の数理」について紹介しました。数理と書かれているのでちょっと身構えてましたが、思ったよりわかりやすくて素晴らしい本でした。

他にも何冊か本を読んだ&読んでいるので、しばらくは本の紹介の記事を書いていく予定です。

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