[書評] 評価指標入門〜データサイエンスとビジネスをつなぐ架け橋 ー ビジネスに機械学習を使いたいと思ったら読んでほしい1冊

今回は「評価指標入門〜データサイエンスとビジネスをつなぐ架け橋」を読み終えたのでその感想の記事になります。

どんな本か?

ビジネスに機械学習のモデルを導入したり、ビジネスで利用している既存のモデルの性能は向上したのに、そのモデルを使おうとするとなぜかビジネスのKPIが改善しないという問題がたびたび発生します。この本ではこのようなことが起きる要因としてモデルを評価したときの評価指標が原因である場合について詳しく説明し、どう考えればこのようなことが起きないか?を解説している本になります。

前半ではこの問題が発生しないようにKPIを意識した評価指標の決定について詳しく書いてあります。

例えば、実際に使われそうなKPIを例にして、KPIをさらに細かい要素に分解し、機械学習の評価指標とKPIとの関係性をわかりやすく説明してくれています。この説明の例としては売り上げをKPIとし、「クーポンを配る相手を機械学習で決める」際、機械学習モデルの精度が変化するとどのようにKPIが変化するかなどが出てきます。

そして後半は機械学習で使える評価指標としてどういうものがあるかとPythonではどう計算するかを示しています。

1つ注意点としては後半部分は結構コードに関する説明が多い印象です。このため、この部分はプログラミングが得意ではない人にとっては難しく感じる部分かもしれません。ただ、コードで書いてある内容は日本語でもちゃんと説明されているので、プログラミングが得意ではない方は一旦コードの部分を無視するというような読み方のほうがいいかもしれません。

どんな人におすすめか?

個人的には以下のような人にはおすすめだと思います。

  1. ビジネスに機械学習を使うか検討している人
  2. ビジネスとして機械学習モデルを開発している人

ただし、先ほど注意点として述べたように後半はPythonのコードを使った説明が多いので、1の人でプログラミングしない人はコードの部分は無視しながら読むような感じがよいかと思います。

一方、2の人にとっては前半部分を参考に今のビジネスのKPIを分解し、評価指標とKPIの関係を深堀したあと、さらにもっと適切な評価指標がないか、後半を読みながら考えるというような使い方がよいかと思います。

個人的によかった点

個人的に読んで良かったと思った点としては以下の通りです。

  1. KPIと評価指標の関係性を明確に意識できるようになった
  2. 機械学習を使おうとしている方にこういう考え方が重要ということを伝えやすくなった

1に関しては今までもKPIを意識して評価指標をこうしようということを考えていました。ただ、漠然としたイメージで止まっていたので、この本によってKPIを分解していく流れを体験できたので、今後自分でも似たような流れで考えていけそうだなという感触を得ることができました。

また、お客様とお話していて、機械学習を使うことを検討しているというとき、お客様のほうからKPIがどういうものか?までは伝えてくれないことが多い印象です。なので、どういうビジネスを考えていてKPIとしてどういうものを考えているかまで詳しく聞いていく必要があります。そのとき、どうしてKPIまで意識して機械学習モデルを作る必要があるのか?の一例としてこの本で示されている説明に使えそうだなと思いました。

終わりに

今回は先日読んだ「評価指標入門〜データサイエンスとビジネスをつなぐ架け橋」について紹介する記事を書きました。個人的には期待以上にビジネスで役立ちそうな印象で読んで良かったと思っています。

この記事がこの本を読もうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。

また、今後は読んで面白かった本の紹介を毎週月曜日にしようと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

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